- 2020/08/04
- 作業事例
エスカレードエンジン異音修理
2015年エスカレードのエンジン異音修理です。まだ新しい年式ですがエンジンを掛けると金属同士が叩くようなイヤな音が出てます。早速、音の出どころを探していきます。音が出ていたのは左バンクからだったので開けて点検していきます。
原因が分かりました。
7番シリンダーのインテーク側のロッカーアームが遊んでます。OHVなのでプッシュロッドを介してロッカーアームを動かす仕組みですが、これだけ遊んでいたら音はするしバルブも正常に作動しませんね。音の発生箇所は分かったのであとは原因を見つけて修理していきます。原因はおおよそ目星はついています。
GMは燃費向上の為AFMという名称でエンジン負荷がかからない時には8気筒のうち半分の4気筒で走行できる気筒休止システムが搭載されています。日本で代表的な車種だと2007年以降のエスカレードやタホ・サバーバンなどに搭載されています。システムとしては素晴らしいですが電気的に油圧をコントロールして複雑なシステムになっている分トラブルも発生しています。年式的に10年近く経過した車両であれば、ある程度納得できますが今回の車両でトラブルが発生するのはチョット早すぎますね。このシステムを搭載した車両はオイル管理をちゃんとしましょうとなっていますが、自分はそれだけの問題では無い気がします。
それでは悪さしている部品を交換していきます。
シリンダーヘッドも降ろします。
やはり7番シリンダーの燃焼室が変ですね。外したついでにキレイにします。
ヘッドを降ろすと悪さをしていたバルブリフターが交換できます。
1番右のリフターが音の原因です。縮んだままの状態で固着してます。このリフターが伸び縮みをしてバルブをコントロールしてシリンダーを爆発させない仕組みです。ちなみにプッシュロッドとロッカーアームも変な当たり方をしてしまっていたので交換です。
あとは油圧をコントロールしているのがこのパーツです。
キレイに洗浄しオイルラインが詰まっていないか確認します。もちろんエンジン側もです。
あとはマニュアル通りに組んでいきます。
シリンダーヘッドの組み付けは規程トルクで締めた後に規定角度での増し締めなのでトルクレンチも角度検出機能のトルクレンチがないと厳しいです。
無事に音は消えランニングテストと診断機をつないでトラブルコードも入らず修理完了です。
takahashi